ノルウェーのハルデン刑務所の本当の姿

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ノルウェーのハルデン刑務所の本当の姿

ノルウェーのハルデン刑務所が豪華過ぎる、自由過ぎる刑務所として日本のバイラルメディアなどで拡散されているようです。以前からノルウェーの刑務所自体が一般的な刑務所のイメージと違い、自由に暮らせるイメージで知られていました。

この理由は、刑務所の中で働き、生活し、人と関わることで本来の人間らしさを学び、再犯率を下げて社会復帰させるためです。この本質がいつも最後に書かれていて、刑務所とは思えない内装や施設、自由な雰囲気だけが最初に写真とともに掲載されるバイラルブログが多いですね。結論としてはたったこれだけなのです。

実際にハルデン刑務所は新たしいので写真映えしますから当然ですが、それ以上にこのハルデン刑務所の内部について語られる記事はあまりありません。

ハルデン刑務所に収容される犯罪者の種類

ノルウェーのハルデン刑務所の本当の姿
ハルデン刑務所に収容される犯罪者は軽犯罪ではなくレイプ、殺人、小児性愛者などの一般的には重度の犯罪者が収容されています。ここがどの個人ブログも抜けているところです。アメリカでは重犯罪であり重刑を課せられますし、社会的な風当たりが非常強いことはご存知でしょう。しかしノルウェーではそんな人達がホテルのような充実した施設に入って自由に生活できるのが不思議です。

実際にハルデン刑務所では暴力事件が起こることはほとんどなく、以前の暴動などは思い出せないほどだそうです。これは普通に生活していても同じ感じだと思いませんか?学校などで暴力事件が起きることってなかなかないですよね。

ノルウェーは必ず出所できるようにできている

ノルウェーには死刑も終身刑もなく、最も長い求刑で21年しか課せられないのです。ということは30歳で最高求刑21年を食らっても51歳で出てしまうのです。ということは、いつか隣人になる人が元々刑務所にいた人かもしれないのです。

だからこそ再犯率を下げ、犯罪に走らないようにする教育が重要だと考えられたのです。これもほとんど語られないので知らない方も多いと思います。ハルデン刑務所の充実した施設ばかりがネタとして扱われてしまうため、このような考えるべき事柄が隠れてしまいます。

なぜこれが重要なのかというと、アメリカではとにかくどんどん刑務所に入れるのが当たり前だからです。特に軽犯罪であってもどんどんぶち込む。これが今は問題になっていて、税金の問題と刑務所不足の問題です。とにかくどんな軽犯罪でも取り締まって臭いものには蓋をする考え方をそのままいってるのがアメリカです。危険な人物がいれば閉じ込めてしまえばよい、そうすれば街は安全になる、という考え方です。犯罪者に言い訳や許しは「今」は不要と考えるのです。

皆が社会復帰する

逆にノルウェーは違います。刑務所に入り、そこで今まで育まれなかった家族や人という存在を刑務所の中で覚えていき、勉強し、運動し、健康的な生活をし、毎日仕事をして安定した生活を送る。これを続けて犯罪とは、生活とは、人生とは、幸せとは、ということを学んでいきます。ノルウェーではこのように犯罪者でも人間として見る傾向が非常強いのです。

というのも陪審員制度で、陪審員たちは犯罪者の人間形成などから読み取っていきます。どうすればこの人がよくなるか、自分たちも皆同じ人間だから同じように生活できるようにできるし、もしかしたら自分も犯罪者に転がり落ちている可能性がある、と考えて陪審員をこなします。

考え方自体がまったく違うのです。

ノルウェーの再犯率が非常に低い

日本の再犯率は約40%に対し、ノルウェーの再犯率は16%と極めて低いことがわかります。アメリカとは比較にならない数値でヨーロッパでもトップクラスの低さです。

それもすべては刑務所内の教育が功を奏していると言っても過言ではないでしょう。

ハルデン刑務所関係者のレベルが高すぎる

ほとんど知られていませんが、ハルデン刑務所で働く看守はただ規律を守らせるだけの暴力的なイメージとは正反対です。看守に対する教育が非常に整っていて、さらには高いレベルの教育をしっかりと受けなければいけません。

例えば、倫理・人権・法律などの大学のコースを2年受けていないといけません。

ノルウェーのハルデン刑務所の本当の姿
またスタッフは誰もが受刑者たちと密接に関わること、会話すること、またカウンセリングを行うことで一般的な刑務所とはまったく違います。最終的に社会復帰させるように全員が人として受刑者たちと関わることになるのです。さらには男性受刑者に対してスタッフの数が上回っていることも特徴です。

ハルデン刑務所は人によって運営されていることがこれでよくわかります。

しかし受刑者ひとりにつき一日あたり4万円の費用がかかっています。何でも優雅に過ごせる理想の刑務所であるように見えますがやはりこれだけの費用がかかっているということです。

元々の遺伝的な犯罪者はどうするか

銃乱射事件で77人を殺害したブレイビクがハルデン刑務所に来るという噂がありましたがここまでの異常者の場合本当に社会復帰できるのかということが疑われます。当然日本でも同様だと思います。

決かとしてブレイビクはハルデン刑務所に来ることはありませんでしたが、このような事件がまた起これば、人はやり直せるという考え方自体が揺らいでいく可能性が高いとハルデン刑務所の所長も話しています。結局遺伝的に犯罪者というものが存在していて、それはどう矯正しようとも変わることはないため、ハルデン刑務所を始めとしてノルウェーの考え方の根本が変わっていく可能性は今後あるということです。