統合失調症の症状と原因、薬や仕事復帰の可能性を探る

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統合失調症の症状と原因、薬や仕事復帰の可能性を探る

統合失調症とは脳の病気です。精神的なものではなく脳に異常があるため、幻覚や幻聴などの症状がおこり、他人からはキチガイのように見られてしまいます。実際に統合失調症の症状が世間に見られる場合は誰もが頭がおかしくなったと思うでしょう。それほど身体的には普通の健康体にもかかわらず、五感に異常が見られるのが統合失調症の代表的な症状です。

実は統合失調症は100人にひとりが発症すると言われていて、人口の1%が統合失調症になっていると言われています。この割合はかなり高いものです。日本には713,000人も統合失調症患者がいると言われています。

これだけ人口が多く、昔からいた多くの統合失調症患者がいるにもかかわらず原因の多くは不明という特殊な病気です。しかし最近ではiPS細胞を使って変異を調べたりゲノム解析などによって少しずつ統合失調症の原因が解明され始めています。

もし家族が統合失調症になったら、なっていると疑わしい場合は、まず統合失調症についてしっかりと理解しておくことが大切です。

統合失調症の症状

統合失調症は主な症状がいくつかありますが、それぞれすべてが出るわけではなく、人によって出るものと出ないものがあります。またその度合も人によって違います。

これらが代表的な統合失調症の症状です。私の親族には統合失調症を発症した人がふたりもいます。その上で症状を見てみるとこの3つは本当に本人たちが感じているものということがわかりました。

まず幻覚ですが、黒い人影がバルコニーを歩いていた、寝ていて目を開けるとドアに足だけが立っていたなど。
幻聴は誰かが自分を馬鹿にしている、自分の家族に対する悪口が聞こえてくるなど。
妄想は外のスモークガラスの車は自分を監視している、カメラを撮っている人は自分のことを盗撮している、浮気している、などです。

脳が実際に感知しているから嘘を言っているわけではない

特に幻覚と幻聴に関しては、実際に脳が見たり聞いたりした時と同じ反応があるということが科学的にわかっていて、統合失調症の患者には実際に目で見えているし耳から聞こえていると感じるのです。

私たちが普段生活していて見間違いや空耳だったことなどがあると思いますが、統合失調症の患者たちはそのレベルではなく実際に誰かを見たり誰かと話すように会話が聞こえてしまいます。当然勘違いではなく脳がしっかりと動いているのでどんどんストレスが蓄積されていくのです。

統合失調症の原因

現在は統合失調症の原因はわかっていません。ただし少しずつ解明されてきていて、いくつかの原因と思われるものはすでに専門的な医師の間にも知られています。ただし幅広く扱う一般的な精神科医には深いレベルでの統合失調症の原因の理解は進んでいないと思われます。日々統合失調症を研究する大学研究室や理研などが解明に取り組んでいて、この研究者レベルでないと統合失調症への理解は高くないことがほとんどです。

まず理研がiPS細胞を統合失調症患者からとった細胞で作り研究したところ、神経細胞や幹細胞といった細胞レベルで一般の人との違いが見られたそうです。細かい部分は省略すると、脳の『p38αタンパク質の発現上昇』が統合失調症に大きく関わっていることがわかりました。これはiPS細胞によるもの、統合失調症患者の死後の脳からも同じ状況がわかったそうです。この『p38αタンパク質の発現上昇』というのは胎児のときの脳発達や炎症などによって起こるものです。

このように元々脳に何らかの小さな障害があったことで後々統合失調症が発祥する可能性があることがわかっています。

統合失調症の発祥のきっかけ

統合失調症はもともと脳の部分的な異常があることがわかっていますが、生まれてすぐに統合失調症の症状が出ているわけではありません。あることがきっかけで統合失調症が発症することが多く、それは進学、就職、結婚、出産など人生の節目などで大きなストレスがかかった時などが多いと言われています。

ただしストレスは目に見えず、またストレス耐性も人によって違うため、どれくらいのストレスがかかることで統合失調症が発症するかは不明です。厚生労働省でも原因は特定できておらず、発症の原因くらいしかわかっていないと記述しています。最近のiPS細胞などによる研究によってようやく原因がわかってきている程度なのです。

双子での研究を見ると、どちらか一方だけ統合失調症を発症することがあり、様々な研究によって脳の障害に加えて環境による影響が統合失調症の発症に大きく関わっていることがわかっています。環境によっては統合失調症の原因を持っていても発症しないことがあるということです。

統合失調症による生活の変化

統合失調症になってしまうと統合失調症の症状だけでなく、普通の生活がなかなかできなくなることが多いです。

例えば、無気力になったりゴロゴロしてしまうということはよくあります。

さらに会話が今までのようにスムーズにしにくなったり、行動がテキパキできなくなったと自覚できる症状も多くあります。これは統合失調症自体の症状出る場合もありますし、薬による作用である場合もあります。

また感情も今までのような起伏がなくなったりすることもあり、社会生活ができなくなることが多いのが統合失調症の大きな問題点のひとつです。統合失調症になって社会復帰することがいかに大変かということが問題になっていると言えます。

統合失調症の治療方法

統合失調症の治療は薬によるものがほとんどです。幻覚や幻聴などが起こらないように向精神薬を飲んで対応します。基本的に現在統合失調症は完治することはないため、人生を左右する症状を抑えて対応するしかありません。

また、統合失調症の幻覚・幻聴・妄想というのは自分の脳が感知しているものですから、患者本人はそれが実際には起こっていないことでありそれが統合失調症の症状で自分が統合失調症であるということはまず認識できません。そのため治療のスタートが遅くなることが多いのが特徴です。特に家族がいない場合はそのまま放置されて事件事故が起こる可能性が高いと言えます。

その場合、警察によって強制入院をとることがあります。統合失調症の投薬ができない場合も入院して数ヶ月間統合失調症の症状と薬の反応を見ながら治療することもあります。